風水の考え方は意外と身近にあるもので、「黄色は金運の色」「トイレを掃除すると運気が上がる」などという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そして新しく家を建てる際も、方角や色など風水の事情が気になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、新築住宅における風水の重要性やポイント、注意点について詳しく解説します。住宅における風水の考え方を知りたい方や、積極的に取り入れたい方は参考にしてください。
新築住宅で風水は重要?
新築住宅を建てる際に風水は重要なポイントといえます。そもそも「風水」とは、山や川といった地形や、道路やビルといった街並みなどから、その土地の「気」を読み取り開運につなげる考え方です。もともと中国で生まれた環境哲学であり、現代の日本においては「住宅」に応用されています。運気を高め、より良い暮らしを実現するためにも、風水の考え方は大切です。
風水と家相の違いは?
風水と似たものに「家相(かそう)」という言葉があります。家相とは、住宅の方角や位置、構造などから吉凶を判断するもので、中国の「陰陽五行(おんようごぎょう)」に基づいた俗信です。家相と風水は、ともにベースとなる考え方は同じものといえます。
新築時に押さえておきたい風水のポイント7選
新築住宅を建てる際に押さえておきたい風水のポイントとして、次のものがあげられます。
- ・「北東」と「南西」は避ける
- ・玄関は「東」「東南」「南」の方角がおすすめ
- ・リビング全体を明るく、各部屋につながる中継地にする
- ・水回りは陰の気が溜まりやすい
- ・水害が多い土地は避けた方がよい
- ・三角形や旗竿地などの土地は避ける
- ・家の方角ごとにラッキーカラーを決める
「北東」と「南西」は避ける
住宅の方角を考える際、「北東」と「南西」は避けるべきといえます。なぜなら、風水における「鬼門」と「裏鬼門」に当てはまるからです。この2つと方角はちょうど対局にあり、「鬼が通る門」といわれているため、風水的に避けるべきと考えられています。
玄関は「東」「東南」「南」の方角がおすすめ
風水の考え方では「気の流れ」を重要視します。気をスムーズに流すためにも、気の入り口となる「玄関」が重要です。風水における気には、活動のエネルギーとなる「陽の気」と、静寂のエネルギーとなる「陰の気」があり、玄関では「陽の気」を取り込むべきとされます。ふさわしい方角は「東」「東南」「南」の3つです。
リビング全体を明るく、各部屋につながる中継地にする
リビングや居間の状態は、家族全体の運気に影響を与えるため、玄関と同じように「陽の気」を溜めましょう。具体的には、日当たりの良い方角にする、大きな窓を設置してリビング全体を明るくするといった方法がおすすめです。
間取り的な視点では、リビングを「各部屋につながる中継地」にするのがおすすめ。これはリビングに溜まった陽の気を住宅全体に行き渡らせるためです。
水回りは陰の気が溜まりやすい
トイレや浴室、キッチンといった水回りは「陰の気」が溜まりやすく、方角を意識しても運気は変わらないとされています。ただし、先述した「北東(鬼門)」と「南西(裏鬼門)」は避けるべきです。また、陰の気を溜めないためにも、風通しを良くすることが重要です。方角としては「北」「東」「西」「東南」がおすすめといえます。
水害が多い土地は避けた方がよい
風水の考え方では、「湿気=邪気」というネガティブな捉え方をします。大雨や洪水など、水害の多い土地は湿気が多いとされるため避けるべきでしょう。土地を探す際は、地元の不動産会社に聞いたり、ハザードマップをチェックしたりして、水害の有無や発生頻度などを確認することが大切です。
三角形や旗竿地などの土地は避ける
新築の風水を考える際は、土地の「形状」も重要なポイントです。正方形や長方形が理想とされる一方で、「三角形」や「旗竿地(道路から奥まったところに住宅があるなど複雑な形状の土地)」は避けるべきといえます。なぜなら、三角形や旗竿地には、土地の一部が凹んでいる「欠け」があるためです。この「欠け」は運気を下げるといわれているため、できるだけ四角形の土地を選ぶのをおすすめします。
家の方角ごとにラッキーカラーを決める
新築住宅の運気を高めるためには、部屋の方角ごとにラッキーカラーを決めるのがおすすめです。たとえば壁の色やインテリアの色合いなど、方角に合わせて決めます。いくつか例をご紹介します。
「玄関」の場合
- 北:ピンクやシルバー系がおすすめ
- 東:ブルーやグリーン系がおすすめ
- 南:黄緑やオレンジ系がおすすめ
- 西:イエローやピンク系がおすすめ
「リビング」の場合
- 北:ブラウンやイエロー系がおすすめ
- 東:ブルーやイエロー系がおすすめ
- 南:ホワイトやグリーン系がおすすめ
- 西:イエローやブラウン、ホワイト系がおすすめ
新築時に風水を考える際の注意点
続いて、新築住宅の風水を考える際に気をつけたいポイントをご紹介します。
- ・すべての風水を取り入れようとしない
- ・風水よりも「住みやすさ」にこだわるべき
- ・部屋を美しく保っておくことが前提
すべての風水を取り入れようとしない
住宅の運気を高めるために「風水」の考え方は重要です。しかし、運気を上げたいあまり、すべての風水を取り入れるのはNG。「快適に暮らせるうえで運気を高める」といった風水本来の目的が失われてしまいます。
風水よりも「住みやすさ」にこだわるべき
新築住宅に風水を取り入れる際、間取りも重要なポイントといえます。しかし、風水の考え方にこだわった結果、住みにくい間取りになっては本末転倒です。
たしかに、「鬼門」や「裏鬼門」は風水的には良くない方角ですが、鬼門にキッチンを設置した方が暮らしやすい、といった場合もあるでしょう。まずは「暮らしやすさ」にこだわることが大切です。
部屋を美しく保っておくことが前提
風水のベースには「空間が清潔であること」という考え方があり、部屋を清潔に保つことで運気が上がるとされています。そのため、こまめな掃除が不可欠であり、部屋が汚れてジメジメしているままでは、運気はなかなか上がりません。風水を考える前提として、方角や間取り以前に「部屋を綺麗に保つこと」が重要です。
「風水」と「暮らしやすさ」のバランスを考えて新築住宅を建てよう
本記事では、新築住宅の風水について次のポイントを中心にお伝えしました。
- ・運気を高めてより良い暮らしを実現するためにも風水の考え方は大切
- ・住宅の方角を決める際は「鬼門」と「裏鬼門」に気をつける
- ・場所の方角ごとにラッキーカラーを決めると運気が高まりやすい
- ・「住みやすさ」を優先し、無理のない範囲で風水を取り入れることが大切
新築住宅を建てるうえで、風水を取り入れることは重要です。しかし、風水にこだわるあまり暮らしにくい間取りになっては本末転倒なので、「風水」と「暮らしやすさ」のバランスを考えて住宅を建てましょう。