新築一戸建てはどのメーカーで購入する?販売戸数ランキングを紹介

この記事では、2020年度の戸建て住宅の販売戸数ランキングを紹介します。

2020年度は新型コロナウイルスの影響により多くの住宅メーカーが前年割れを起こしています。

どのメーカーがどのくらいの販売戸数を記録しているのか、今まさに新築一戸建ての購入を検討している人はぜひ参考にしてください。

戸建の販売戸数ランキング

ここでは、大手住宅メーカー7社の2020年度の戸建て販売戸数ランキングを紹介します。

2022年度戸建の販売戸数ランキング

参照:住宅産業新聞社「202年度の大手住宅企業の総販売戸数・戸建て販売戸数」(2021年6月17日)
https://www.housenews.jp/house/19230

大手住宅メーカーの戸建て販売戸数は、近年減少が続いている状況です。

また、新型コロナウイルスの影響も決して小さくありません。どのようなランキングとなっているのか解説します。

1位:プライムライフテクノロジーズ

プライムライフテクノロジーズ

1位は、プライムライフテクノロジーズで1万2,742戸(対前年同期比11.0%減)でした。プライムライフテクノロジーズ は、「パナソニック ホームズ」「トヨタホーム」「ミサワホーム」「パナソニック建設エンジニアリング」「松村組」の5社のホールディングス会社です。

各社の特徴は以下の通りです。

トヨタホーム

・名古屋に本社を持つトヨタグループの住宅メーカー
・トヨタグループの技術力を生かした高性能・高品質の住宅が特徴
・戸建住宅では、短い工期で高い耐震性・耐久性を備えた住宅を作る「ユニット工法」を採用

パナソニックホームズ

・パナソニックの完全子会社の住宅メーカー
・独自の構造技術に基づいた地震に強い家づくりを展開
・「地震あんしん保証」「35年間の初期保証」「最長60年の保険延長」などのアフターサービスも充実

ミサワホーム

・木質パネル接着工法に基づくモノコック構造の住宅が特徴
・高い断熱性・気密性を備え、なおかつ快適で省エネな住宅を提供している

パナソニック建設エンジニアリング

・建築に関するエンジニアリング会社として住宅・非住宅を問わず幅広い事業を展開
・住宅に関しては住宅設備機器の販売や内装一式工事などを手がける
・非住宅では空調や給排水設備、太陽光発電などの省エネソリューションを提案している

松村組

・商業施設や集合住宅などの設計・施工に強い企業
・土木工事も手がけているがメインは建築工事
・関西国際空港の旅客ターミナル、国立新美術館といった建物の施工事例がある

2位:積水ハウス

積水ハウス

販売戸数ランキング2位は、積水ハウスで1万369戸(対前年同期比21.8%減)でした。

多くの企業が販売戸数を落としている中でも、積水ハウスは、前年同期比21.8%減と特に大きく販売戸数を落としています。

積水ハウスは「邸別自由設計」を家づくりの基本としており、顧客一人ひとりのニーズに応じた家づくりにこだわっている企業です。

敷地や気候条件などに基づいた住宅を提案しており、家づくりにあたっては、一級建築士やチーフアーキテクトと呼ばれる専任スタッフによるコンサルティングやアドバイスを受けることができます。

そのため、ただ家を購入するだけでなく、長期的なライフスタイルを視野に入れて家づくりに取り組むことが可能です。

3位:積水化学工業住宅カンパニー

積水化学工業住宅カンパニー

積水化学工業住宅カンパニーは、9,555戸(対前年同期比6.3%減)で販売戸数ランキング3位でした。

同社は、住宅のほとんどを工場で作る「ユニット工法」を取り入れている点が特徴です。

工場内で住宅づくりに取り組むことで、建築中に建物が雨や風にさらされる心配がなく、部材の劣化や歪みといったトラブルも起こりません。

高い品質をキープしながら安心・安全の住宅を作ることができています。

また、日本以外にもタイに工場を設け、タイやその周辺国の住宅市場の開拓にも取り組んでいる点も特徴です。

4位:旭化成ホームズ

旭化成ホームズ

販売戸数ランキングの4位は、旭化成ホームズで8,360戸(対前年同期比8.4%減)でした。同社は、旭化成グループのハウスメーカーの1つです。

旭化成ホームズには、賃貸マンションの管理などを手がける「旭化成不動産レジデンス」、リフォームやメンテナンスを手がける「旭化成リフォーム」、新築・改修工事を手がける「旭化成住宅建設」、衛生設備工事を手がける「旭化成ライフライン」などのグループがあり、グループ間での連携により幅広いサービスの提供が可能となっています。

旭化成は、戸建て住宅ブランド「ヘーベルハウス」を展開しています。こちらは、「ヘーベル」という軽量気泡コンクリートを使用していることがブランドの由来です。

また、同社は主に都市部において事業を展開しており、東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉の主要5都府県では、5年連続で持家販売数シェアNo.1を記録しています。

5位:大和ハウス工業

大和ハウス

大和ハウス工業は、7,019戸(対前年同期比12.1%減)で5位です。

大和ハウス工業は1955年の創業以来、戸建て住宅を中心に住宅に関連する幅広い事業を展開している企業です。主要構造部分が向上で作られた部材から構成される「工業化住宅」のパイオニア的存在でもあり、日本を代表する住宅メーカーだといえます。

また、戸建て住宅に関してはこれまでの販売累計実績が63万戸を超えています。

同社では、高い耐震性能を備える「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」や木造邸宅プロジェクトである「PREMIUM GranWood(プレミアムグランウッド)」など独自技術に基づいてさまざまな商品を展開している点が特徴です。

6位:三井ホーム

三井ホームズ

住宅販売戸数ランキング6位は、2,585戸(対前年同期比18.4%減)の三井ホームでした。

三井ホームは、木造注文住宅を中心に提供している住宅メーカーです。三井グループの一員でもある三井ホームは、木材を貼り合わせることで住宅を作る「ツーバイフォー工法」が日本でオープン化されるとともに創業しました。

日本の環境を踏まえたうえで、独自にツーバイフォー住宅を進化させることで、高い耐震性、断熱性、気密性を備えた「プレミアム・モノコック構法」を展開しています。プレミアム・モノコック構法で建てられた住宅は、震度7のテストに60回も耐えるなど、その性能の高さが特徴です。

7位:ヤマダホームズ

ヤマダホームズ

住宅販売戸数ランキング7位は、ヤマダホームズで2,567戸(対前年同期比3.4%増)です。ランキングこそ7位ですが、今回取り上げた企業の中で唯一前年同期比3.4%増と微増ですが販売戸数を伸ばしています。

業界全体が低調な中で、販売戸数を伸ばしている背景には、2020年にレオパレスの完全子会社化、さらに同じく2020年にヒノキヤグループを連結子会社化するなど、合併による体制強化に取り組んだことが挙げられます。

また、ヤマダホームズは、家電量販店の「ヤマダ電機」のグループであり、太陽光発電システムや蓄電池を搭載したエコ住宅、電気・飲料水の自給自足を可能にする住宅など、グループのシナジーを活用したスマートハウスを展開できる点も販売戸数増加に貢献していると考えられます。

今後の販売戸数はウッドショックが影響する恐れ

2020年度は、ヤマダホームズ以外は販売戸数が前年割れを記録するなど、業界全体が厳しい状況にあります。

販売戸数減少の背景には、もちろん新型コロナウイルスの感染拡大の影響がありますが、さらにコロナに関連して発生したウッドショックも住宅業界に大きな影響を与えています。

ウッドショックとは、木材の供給が需要に追いつかなくなり、住宅メーカーや工務店などが木材を調達しにくくなることです。

1970年代に原油価格の高騰に伴い発生したオイルショックの、木材バージョンだとお考えください。ウッドショックは、日本を含めた世界各国で発生している世界的な問題です。

ウッドショックが発生している背景には、新型コロナウイルスの影響による住宅需要の高まりと輸送コンテナ(以下、コンテナ)不足が挙げられます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人が自宅で仕事を行うようになりました。それに伴い仕事をしやすいように自宅をリフォームしようとする人も増えています。リフォーム需要の増加は住宅業界としては嬉しいものです。

しかし、このような需要は世界各国で発生しています。特にアメリカでは、コロナによる巣ごもり需要に加え、低金利政策が取られていたため、住宅業界全体がバブル状況にありました。

日本は、木材の調達を海外からの輸入に頼っているケースがほとんどですが、その海外で多くの木材が使用される状況となったため、調達が難しいものとなっています。

そこに拍車をかけるのがコンテナの不足です。コロナによる巣ごもりは、住宅以外にも、インターネット通販によるさまざまな商品の販売に影響を与えています。

中には、海外から商品を購入する人もいるため、さまざまな商品がコンテナで輸送されることとなりました。その結果コンテナ不足が発生しています。

またコロナの影響で、コンテナの稼働率自体が低下しているため、ますます木材を輸入するためのコンテナの確保が難しい状況です。

このような背景からウッドショックが起こっており、日本の住宅メーカーは木材を輸入できないもしくは輸入するとしても相場以上の高い金額を支払わなければならない状況にあります。

そのため、ウッドショックの影響はしばらく続く可能性があり、2021年度以降の販売戸数にも影響があると考えられます。

販売戸数が多い=満足度が高いではない

新築一戸建ての購入を検討しているとき、住宅メーカーの販売戸数の多さに注目する人も多いかもしれませんが、販売戸数の多さが必ずしも満足度の高さにつながるわけではありません。

企業によっては、ローコストで購入できる住宅を展開し、販売戸数を伸ばしているケースもあると考えられます。

しかし、ローコストであるために、住宅に欠陥が見つかる可能性はゼロではありません。もちろん、高い販売実績を誇る企業を選んで、満足できるケースもあります。

大切なことは、自分にあった住宅メーカーを選ぶことです。そのためには、メーカーを決める前に担当者としっかりと話し合うことが大切です。

まとめ

販売戸数ランキングまとめ

今回は、住宅の販売戸数ランキングを紹介しました。

2020年度は新型コロナウイルスやそれに伴い発生したウッドショックの影響で、多くの企業は販売戸数を落としています。

住宅業界の低調な状況は今後も続く可能性があるため、新築一戸建ての購入を検討している人は、メーカー選びを慎重に行うことが大切です。

販売戸数だけを見るのではなく、モデルルームをチェックする、各社の担当者と話し合うなどして、自分にあった住宅メーカーを選ぶようにしましょう。