福岡で建てる木の家と無垢材の基礎知識!しっくいを使った家づくりとは?

屋台ラーメンや博多めんたいこ、玄界灘で捕れる海産物を使った料理など、グルメの魅力たっぷりの福岡県。
福岡県は、現在では人口が500万人を超えており、国民にも九州最大の都市部として根付いています。
福岡の都市部に住む方はもちろん、大野城市や春日市などの住宅街に一軒家を構えようと考えている方の中には、無垢の木の家に憧れている方も多いのではないでしょうか。
特に、県庁所在地である福岡市は人口密度が高いエリアで、坪単価もずば抜けて高い数値となっているため、住宅・工務店選びは慎重に行いたいものです。
そこで今回は、福岡で木の家をつくる際に知っておきたいポイントをまとめてみました。
おすすめの建築素材である「しっくい」についても触れていきます。

木の家ってどんなもの?ログハウスとの違い

あなたは、福岡でつくる「木の家」と聞いてどんなものを想像するでしょうか。
よく、キャンプ場や自然をコンセプトとした宿泊施設などにある、丸太で組まれた塗装のないログハウスなどが浮かび上がってきますよね。
あるいは、お金持ちが別荘として所持している、綺麗なログハウスのイメージなども挙げられます。
こうした印象からすると、福岡の庶民が一般的な家づくりを行う上では無縁なもののようにも思えます。
しかし、「木の家」と「ログハウス」は似て非なるものです。

そもそも、ログハウスとは丸太の英語である「log」からきている言葉で、多くの場合は丸太を使って簡易的に組み立てた家のことを指します。
ログハウスにも、人間が道具を用いて木材を切り分ける「ハンドヒューン」と、機械によって処理を行う「マシンカット」の2種類があります。
それぞれ見た目も違いが出てくるものの、どちらも一般家庭でいう「木の家」とは全く異なります。

木の家は、広いリビングや家族の個室などを組み込んだ、家族みんなで住むことを想定に建築される家です。
福岡の別荘やレジャーでの宿泊施設として利用する場所でもなければ、山中などの自然の多い場所に建てなければならないものでもありません。
木の家は、福岡でも一部の地域を除いて建てることが可能です。
そして、家族のためを考えた様々な木の家の構造を、福岡の工務店が提案しています。

もちろん、ログハウスにも良い所はたくさんあります。
しかし、構造上の問題から雨漏りがしやすかったり、自然の木を使っている影響から木材のずれが生じて家が歪みやすいなど、福岡に建てる住宅として不完全です。
木の家は、こうしたログハウスの問題点を取り除いて、なおかつ良い所だけを上手に取り除いた家となっています。

無垢材を使うメリットとは?

福岡で木の家をつくる場合、建築資材のメインとして候補に挙がってくるのが無垢材です。
無垢材とは、木材そのものの良さを引き出せるよう、余計な加工を一切していない素材のことを指します。
福岡でも八女市などで木材を直接仕入れることができるため、海外産ではなく純国産の無垢材を使った木の家をつくれます。
構造材のうち、90%以上を無垢材仕様のものにしたりと、自然の木をふんだんに利用した家も珍しくありません。
しかし、無垢材と言えば、その取扱いの難しさも気になって来ますよね。
建築用に加工が施された部分が少ないため、組み込みの難易度や耐久性が不安という方も多いのではないでしょうか。
しかし、福岡で確かな知識を備えたプロの職人さんに頼めば、安全性の高い無垢材の一軒家が建てられます。
それどころか、無垢材には福岡で日常生活を送る上で家族に様々なメリットをもたらします。

無垢材の温度調節機能

まず、無垢材には気温の調節を行う機能が備わっています。
福岡にて家の中で過ごしていると、どうしても避けられないのが冬の寒さや夏の暑さです。
一人ならまだしも、福岡で家族みんなで家の中に住むわけですから家族全員の問題になりますよね。
だからこそ、温度調節機能を持っている点は高いポイントになります。
無垢材の割合が多いほど寒さや暑さを和らげてくれるので、住み心地が非常に快適です。
これは、未加工の無垢材が呼吸をしているからこそ保たれている機能であると言われています。
湿度をコントロールする力もあるため、福岡で梅雨の時期も安心して過ごせます。

化学物質が一切含まれていない

2つ目に、化学物質を含んだ加工が施されていないことから、危険物質による悪影響を受けるリスクがないメリットがあります。
現代における福岡の家づくりにおいて主な建材として使用されているのは、化学物質を含んだ集成材と呼ばれる加工された木材です。
集成材は、シックハウス症候群などの病気を発症させるなど、人間に健康被害をもたらす可能性があります。
最近では福岡で使われている集成材も健康面に配慮されてきてはいるものの、無垢材には化学物質が一切含まれていないため非常に安心です。

未加工特有のぬくもりと柔らかさ

3つ目に、人肌に触れた時に冷たさを感じにくい点が利点として挙げられます。
先ほども述べたように、無垢材には温度調節機能を持っています。
周囲の温度による影響を受けにくいため、福岡でも冬場に手足で触れてもヒヤッとすることがほとんどありません。
さらに、未加工特有の柔らかさを感じられるため、足で踏んだ時の衝撃が和らぎます。
歩行がおぼつかない子どもやお年寄りが安心して移動できますし、衝突による怪我も減ります。

木の良さを活かすためにできること

せっかく無垢材の家を福岡で建てるなら、木の良さを活かした工夫ある住居に住みたいですよね。
何も工夫していない工務店だと、余計な加工や工法の違いによって、せっかくの良さが損なわれてしまう事もあります。
それでは、どのような工夫が可能なのでしょうか?

まず大前提として、木は切断された後でも生き続けているという特性を持ちます。
周囲の環境に合わせて膨張率を変えながら、温度調節などを行っているのです。
ところが現代の建築現場では、その呼吸を妨げるような加工を施すケースが福岡でも増えてきています。
例えば、住宅の耐久性を高められるWPC加工などが有名です。
WPC加工は、木材にプラスチック樹脂を注ぎ込んで強度を高める技術ですが、木の呼吸を阻害してしまうのが難点です。
他にも、オイルを上から塗ったり、ウレタン塗装を行う加工技術が発達しています。
しかし、これらは耐久度を高める代わりに無垢材の良さを損なう恐れがあるため、注意が必要です。
福岡の住まいづくりで木の良さを活かすには、塗装による加工はなるべく抑えた方が良いと言えます。

次に、フローリングにあえて加工を施さない方法があります。
私たちが家の中で生活する上で最も触れる機会の多い部分と言えば床ですよね。
昨今の建築現場における床と言えば、上に薄い自然素材の板を張り付けただけの「複合フローリング」が福岡でも主流となっています。
メインとなる土台には多くの集成材が使われているため、自然素材そのものの良さを味わうには不十分です。
このフローリングを無垢素材の100%天然ものにすれば、住宅全体の足場から木の温もりを感じられるようになります。

加工をすれば確かに住宅の寿命は延びるかもしれませんが、それは確約されたものではありませんし、体のためを考えれば未加工がベストです。
木材は本来、長い間丈夫に生き続けるものであるため、塗装などの加工を無理に施さなくても大きな問題はありません。

しっくいで実現できる自然素材による加工

木材の天然物としての良さを損なわないためには、余計な加工をしないことがベストです。
ただし、化学物質を含まない自然素材のみによる加工であれば問題ありません。
まだ化学の研究が進んでいなかった昔の時代は、福岡でも加工と言えば自然素材を使った加工が当たり前でした。
中でも代表的なのが、古来の日本より伝わる伝統的な壁材のしっくいです。
しっくいは、石灰岩を原料とする壁の建材で、福岡でもお城や食糧庫・酒蔵などに主に使われてきました。
無機質の特性を持つため燃やしても有害物質が発生することがないなど、しっくいは自然素材としての多くの特徴を持ちます。

しっくいの特徴で特筆すべきは、調湿の機能に優れている点です。
しっくいは水分を吸収するための繊細な組織をたくさん持っており、周りの気候変化に応じて水分量を調節することを得意としています。
福岡の乾燥する冬場には水分を放出して、湿度の高い夏場には水分を吸収するといった形で、無垢材と同じように呼吸をしています。
そのため、しっくいは酒蔵のような飲食物を保管する場所の建物づくりに最適な素材なのです。
カビや虫の発生を抑えられる意味では、貴重品を守ることにも活躍しますし、福岡での持ち家に取り入れる場合でも屋内の空気を爽やかな状態に保つ利点があります。しっくいに含まれている炭酸カルシウムという成分には静電気の発生を抑える働きがあるため、ホコリを寄せ付けないメリットもあります。さらに、しっくいの主成分はアルカリ性なので嫌な臭いを発生させる菌を排除して、消臭する効果を持つ事もわかっています。
ホルムアルデヒドなどに代表される、住宅から発生する有害物質も取り込んで分解してくれるので、高い安全性が期待できます。

そして、しっくいは見た目の上でも美しい仕上がりになる魅力があります。
一見するとただの白系統の色ですが、よく見ると独特の柔らかい風合いがあり、光を浴びると煌びやかな光沢を放つ味わい深い趣が特徴です。
発色の良さは美しさだけでなく、防犯にも役立つと言われています。
また、燃えにくい性質を持っているため、火災に強い素材としても有名です。
こうした多くの魅力から、見た目と耐久性が重要になるお城のような、重要な建造物に特に使われてきました。
国が指定する重要文化財にも、しっくいを使った建造物は多いものです。
福岡にもしっくいを採用した文化財が多くあります。
しっくいは、福岡を含む日本が誇る建築文化を支える大切な存在であり、化学的な加工木材が溢れる現代にこそ必要とされてきている壁材と言えるでしょう。

オリジナル建具で「木視率」を増やそう

しっくいを使って住宅内の自然素材の割合を増やすことは、福岡で木の家づくりを行う上でコンセプトに非常に合っています。
ただ、住宅を構成する要素はしっくいを使う壁以外にも様々なものがありますよね。
特に素材の違いを左右する部分と言えば、建具が挙げられます。
建具とは、窓やドアといった住宅の開口部に取り付けられるしきりの働きをする建築物です。
和室を代表する障子やふすま、それから洋風のおしゃれなドアからシャッターに至るまで、幅広いものが建具に当たります。
これらの建具も木材にすれば、更に木の家としての統一感を高めることが可能です。

木視率という言葉をご存知でしょうか?住宅の内装において、人の目で周囲を見た時に木が見える割合のことを指します。
福岡のごく普通の住宅であれば木視率は2~3割ほどですが、木の家においては4~5割の木視率を目指します。
つまり、普通の家づくりの2倍以上の木が見た目で感じられるようであれば、木の家としての良さを存分に味わえると言えるでしょう。
木視率を一定の水準に上げることで、木の家が生み出すぬくもりや高揚感が堪能できることは研究でも証明されています。
その木視率を左右する一つの要素が、建具なのです。

例えば、屋内に設置するドアのすべてを木目までが鮮明に見える無垢の木材を使用すれば、目視率は飛躍的に高まります。
周りの枠の部分も木材で固めれば、より効果的です。
建具は福岡の工務店でもオリジナルで作成可能となっています。
プライバシーに配慮したくもりガラスを採用したり、個性的でおしゃれなステンドグラスの商品を購入する方法もあります。
工務店によっては、職人さんが随所に工夫を凝らしたこだわりの商品を作ってくれる場合もあるので相談してみましょう。
木材の種類によって雰囲気が全く違ってくるのもの面白いポイントです。
出回っている既製品のデザインでは物足りないという方は、オリジナル建具を選んでみてはいかがでしょうか。

無垢素材の利点を覚えて柔軟に家づくりを進めよう

福岡で木の家の持ち家を建てたいと考えている場合には、まず住宅としての基礎知識と、しっくいを含む無垢素材の利点について認識しておくことが大切です。
温度調節の機能や健康面におけるメリットを踏まえたうえで他の種類の住宅と比較して、家族に合った建築方法を選びましょう。
それから、同じ木の家でも工務店によって加工の度合いが異なります。木材のコーティング加工に化学物質を用いる場合、木の良さが損なわれる点はしっかり覚えておきましょう。
ただ、場所や家族によって耐久性を重視したい場合も多いはずですので、ケースバイケースで柔軟に決めて行くのがコツです。
壁材にもしっくいを検討するなど、随所に工夫を重ねることで理想のマイホームを完成させみてはいかがでしょうか。

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