注文住宅をこれから建てようとしている人の中には、さまざまな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、注文住宅を建てる際に抱きやすい不安の種類とその解消方法について解説します。注文住宅への不安は建築、ローン返済、土地選びなどなど、あらゆる面で発生します。不安を放置したまま建築計画を進めてしまうと、入居後に後悔する可能性があります。

今まさに土地選びや家の設計を行っている方に向けた内容となっています。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身のマイホーム建築の参考にしてください。

注文住宅を建てるときに感じる不安

注文住宅を建てる時の不安と解消方法について

注文住宅を建てる場合、施主はいろんな場面で不安を抱きます。ここからは、具体的にどういった不安があるのかその概要をご紹介して、そのあと、ひとつひとつの不安の解消方法を詳しく解説していきます。

住宅ローン

注文住宅を建てる際に抱く最も大きな不安の一つが、住宅ローンなどの資金面についての不安です。
住宅ローンは、多くの人にとって人生の中でも最も大きい借り入れとなるもので、生涯に渡って返済しなければならないため、「本当に返済できるのか?」「こんな大きな金額を借りてしまって大丈夫なのか?」といった不安を感じる人も少なくありません。

土地選び

注文住宅を建てる場合、土地選びから行う場合がありますが、本当に自分達に適した土地なのか、ここに長年住み続けることができるのか、といった不安を抱く人もいます。また、近隣住民との関係や地域との相性を気にしすぎるあまり、なかなか土地を選べない人もいるでしょう。

住み始めてからのギャップ

注文住宅を建てる人に中には、建てる前から「住み始めてから思っていた家の雰囲気と違ったらどうしよう」といったギャップに関する不安を抱く人もいます。
注文住宅は、自分達の希望を反映させやすく、それに伴い期待もどんどん大きくなりがちです。一方で、期待通りでなかった場合その反動が大きいため、不安を感じてしまいます。このような点から、設備や間取りをなかなか決められないといった人もいるでしょう。

建設会社

注文住宅の出来を左右するといっても過言ではない、建設会社に関する不安を抱く人も少なくありません。例えば、建設会社を検討する段階では、「相談すると後々しつこく営業されるのでは?」と考える人もいます。また、小さい建設会社の場合「工事中に倒産しないかな?」「将来会社が潰れたらアフターメンテナンスはどこに相談すればいいの?」と不安になる人もいるでしょう。

家を建てる時期

工事の時期によっては、梅雨や台風が直撃することもあるため、「工事が送れないかな?」「家がにぬれても大丈夫なの?」と不安になる人も少なくないでしょう。また、妊娠や出産、子供の入学など、家族構成の変化やライフステージの変化が伴う場合も、「子供が生まれる前?後?」「子どもの入学式よりも前に入居したい」など、注文住宅を建てる時期を気にする人もいます。

住宅ローンの不安を解消する方法

住宅ローンの不安を解消する方法

ここでは、住宅ローンの不安を解消するための具体的な方法について解説します。これから住宅ローンの申し込みをしようとしている人は、申請の前にぜひチェックしてみてください。

住宅ローンを組むリスクを想定しておく

住宅ローンを組む際は、どのようなリスクが発生するのか、事前に想定しておくことが大切です。住宅ローン返済時に発生する可能性のあるリスクとしては以下のようなものが考えられます。

  • 収入の変化
  • 病気や怪我
  • 災害

住宅ローンを申し込んだ段階で得ている給料をいつまでももらえるとは限りません。例えば、転職して給料が下がる、会社が倒産して無職になるといった収入の変化が起こる可能性が考えられます。
また、病気や怪我によって働けなくなる恐れもあるでしょう。一時的に働けなくなるだけであれば、預金などでカバーすることもできますが、仕事を続けられないような怪我や病気をしてしまうと、ローンの返済自体が難しくなる可能性もあります。
そのほかにも、地震や台風などの災害で自宅が被災し、リフォームや修繕が必要となることも考えられます。

このようなリスクに対しては、ボーナス併用返済や団体信用生命保険などを利用することもできます。ローンに対する不安がある人は、事前にリスクが発生した際にどのような対応ができるのかチェックしておくことをおすすめします。

実現可能な返済計画を建てる

「本当にローンを返済できるのか?」といった不安を持っている人は、返済計画を入念に立てるようにしましょう。返済計画を立てる際は、以下の点を考慮することが大切です。

  • 頭金の有無
  • ライフスタイルの変化

住宅を購入する場合、諸費用こそ現金での支払いが必要となりますが、それ以外の費用は頭金なしで全額ローンによってカバーすることもできます。しかし、全額ローンで購入するとなると、借入金額が増えてしまうため、返済時の負担も大きくなります。
一方で、頭金を用意することができれば、借入金額が少なくなるため、返済期間を短くできるほか、利息も少なくなるため総支払額も軽減されます。そのため、頭金を用意するのかどうか、用意する場合はどのくらいの金額を用意するのか考えることが大切です。住宅の購入価格の1〜2割程度を頭金にするケースが一般的となっています。

頭金の有無に加えて、ライフスタイルの変化についても想定しておく必要があります。例えば、子供の誕生や進学、親の介護などによって支出が増えることもあります。毎月の返済額を高めに設定してしまうと、ライフスタイルの変化によって支払いが難しくなる可能性もあるでしょう。そのため、購入時点での状況だけでなく、将来起こり得ることを考慮して返済額を設定することが大切です。

土地選びの不安を解消する方法

土地選びの不安を解消する方法

ここでは土地選ぶに関する不安を解消するためのポイントについて解説します。ちょっとしたことで不安を取り除くことができるため、ぜひ参考にしてください。

立地面で後悔しやすいポイントを把握しておく

立地面で後悔しやすいポイントを把握したうえで土地選びに取り組むことで、不安を軽減することができます。注文住宅を建てる人の中には、実際に住み始めてから立地面での不便さを感じるケースが少なくありません。
具体的に後悔するポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 日差しが十分に入ってこない
  • 車や電車の音が聞こえて気になる
  • 夏になると虫がたくさん発生する
  • 砂ぼこりが起こる
    など

上記の点は、地図をチェックするだけでは判断できない部分です。そのため、土地を選ぶ際は周囲の環境も確認しておくといいでしょう。

土地選びのポイントを把握しておく

土地選びのポイントを把握しておくことも、不安を解消するためには大切です。各家庭によって土地選びの優先順位は異なりますが、一般的には、以下のような点が重視されます。

  • 通勤・通学のしやすさ
  • スーパーやドラッグストア、コンビニの数
  • 治安
  • 教育環境
  • 自然環境
  • 土地の形
  • 地盤の状態
    など

通勤時のラッシュが激しい、スーパーやドラッグストアまで遠いといった環境だと、日常生活を送るだけでもストレスがたまってしまいます。また、安心して暮らすためには治安の良さも欠かせません。子供がいる場合は、学校や学習塾などの教育環境のほか、のびのびと遊べる自然環境があるかどうかも重要なポイントです。

土地は、形状によって価格が異なり、正方形や長方形といった整形地の方が割高となります。一方で特殊な形状をしている場合は、価格は抑えられるものの、希望通りの注文住宅を建てられない可能性もあるため注意してください。

また、災害が多い昨今では、地盤の状態もチェックしておくべきです。自治体が公表しているハザードマップを確認することで、災害リスクをある程度把握することができます。

気になる土地は現地周辺を歩いてチェックする

土地選びをする際は、実際に現地を歩いてチェックすることが大切です。写真では魅力的に見える土地でも、現地に行くと騒音が気になったり、ゴミが散らかっていたりすることがあります。また、最寄り駅までの道に街灯がどのくらいあるのかといったことも現地に行かなければわかりません。
土地を選んでから後悔しないためにも、今抱えている不安を解消するためにも、昼夜の時間帯を変えるなどして何度でも現地を訪れるようにしてください。

住み始めてからのギャップに関する不安を解消する方法

住み始めてからのギャップに関する不安を解消する方法

ここでは、住み始めてから感じるギャップに関する不安を解消する具体的な方法について解説します。どういったギャップが生じるのか、ギャップを生じさせないためにはどうすればいいのか取り上げているため参考にしてください。

ギャップが起きやすいポイントを把握しておく

不安を解消するためには、どのようなギャップが生じるのかポイントを把握することが大切です。住み始めてから生じるギャップの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 洗濯機置き場と物干しスペースが離れていて不便
  • キッチンからダイニングに移動しにくい
  • 収納スペースを少なくしたために片付けが難しい
  • 窓が大きいために室温調整が難しい
  • 天井を高くしたためにメンテナンスが大変
    など

さまざまなギャップがありますが、これらのギャップは生活動線を考慮していない、維持管理の手間を想定していないといったことで発生しています。
そのため、普段の生活動線をチェックしたうえで間取りを検討する、維持管理のしやすさを考慮した住宅設計にするといった対策を立てることで、ギャップを回避することができます。

間取りや設備を決めるときのポイントにそって検討する

間取りや設備を決める際に、どういったポイントを押さえておくべきなのか把握することで、住み始めてからのギャップを小さくすることができます。

間取りや設備を決める場合、まず予算を先に決めておくことが大切です。これは、自分たちの希望する間取りや設備を選んでも、予算をオーバーしていると計画の見直しが必要となってしまうためです。予算を先に決めたうえで、予算内で選べる間取りや設備を検討する方が効率的だといえます。

また、設備の使用頻度や子供が独立した後のことも考えておきましょう。あまり使わない設備にお金をかけてしまうと後悔することになります。また、キッズスペースなどは子供が成長すると使わなくなるため注意が必要です。注文住宅を建てる場合、ついつい最新の設備に目移りしてしまいがちですが、本当に必要なのかよく考えることで、住み始めてからのギャップを小さくすることができます。

家族でしっかりと話し合いをする

「思っていたのと違う」といった事態に陥らないようにするためにも、家族でしっかりと間取りや設備について話し合いをすることも大切です。話し合いの際は、今住んでいる家に対する不満や満足しているポイントを洗い出し、新しい家に何を求めるのか意見を出し合いましょう。その際は、家に求める条件の優先順位をつけると話し合いがスムーズに進みます。また、話し合った内容は記録しておき、いつでも振り返りができるようにしておくといいでしょう。

建設会社への不安を解消する方法

建設会社への不安を解消する方法

建設会社に対する不安を軽減するためには、サポート体制をしっかりとチェックしておきましょう。アフターメンテナンスまで対応してくれることがわかれば安心して依頼することができます。また、建設会社によってはホームページに過去の施工実績を掲載しているので、建設会社の実力を知る手助けになるので、一読することをおすすめします。規模の小さい会社でも、実績が豊富であれば依頼しやすくなるでしょう。
そのほかにも、インターネットやSNSで口コミをチェックすることもおすすめです。「資料請求しただけなのに営業がしつこい」「レスポンスが遅い」など実際に利用したからこそわかる口コミ情報は、会社選びの参考になります。

家を建てる時期への不安を解消する方法

家を建てる時期への不安を解消する方法

家を建てる時期を気にしている人は、事前に工程表をもらっておき、工事の流れやスケジュールを把握しておくことが大切です。悪天候などによって工事が遅れる可能性は十分に考えられますが、工程表を見れば、どのくらい遅れるのかある程度予想することができます。
また、「入学式までには引っ越しておきたい」「梅雨の時期の工事は避けたい」といった希望がある場合は、事前に住宅メーカーや建設会社に相談しておき、工事の開始時期を調整するようにしましょう。

まとめ

今回は、注文住宅を建てる際に抱きやすい不安とその解消方法について解説しました。
注文住宅を建てる場合、ローンや土地、住み始めてからのギャップなど、さまざまな面で不安を抱える人は少なくありません。一方で、これらの不安は検討内容が不十分であるために発生しているケースがほとんどです。現実的な返済計画を建てる、気になる土地は現地を訪れてチェックする、生活動線を把握しておくなど、ポイントを押さえておくことで不安を最小限にすることができます。
注文住宅を建てようとしている人で不安がある人は、今回の内容をぜひ参考にしてください。