静岡県西部(遠州地区)で「家づくりに必要なこと」をお伝えします。これから新築をお考えの方に知っておいてほしい内容です。「7つのポイント」にして解説していきます。

袋井、磐田、掛川(遠州地区)で家づくりに必要な7つのポイント

家づくり01

  • 断熱材だけでは防げない夏の輻射熱を防ぐ「アルミシート」で家中を包むこと
  • すきまなく「断熱材」が入っていること
  • 熱が伝わりにくい「窓サッシ」を選ぶこと
  • 家中のすきまを少なくして「気密」を高めること
  • 構造計算をして「耐震等級3」を目指すこと
  • 家を建てる前に「2種類の地盤調査」をすること
  • ジメジメの湿気を吸ってくれる「自然素材」を使うこと
断熱材だけでは防げない夏の輻射熱を防ぐ「アルミシート」で家中を包むこと

熱を75%も伝えているのは輻射熱で「アルミシート」が輻射熱を反射してくれます。
暑い夏の日に、あなたは暑さを防ぐ為にどのような行動をしますか?

  • 帽子をかぶる
  • 木陰で涼む
  • 日傘をさす

他にも沢山あるかと思いますが、ほとんどの方が「直射日光」を避ける行動をするのではないかと思います。つまり、太陽の光を浴びなければさほど暑くならないということです。
熱の伝わり方は3つの種類に分けられます。

輻射熱 75%

暑い日に直射日光があたる所にいると暑く感じるのは輻射熱です。しかし、日陰にいれば同じ気温でも暑く感じません。輻射熱を防いでいる為です。

対流熱 15%

扇風機やうちわで涼しく感じるのは対流熱の効果です。冬は外にいて風が吹くと気温以上に寒く感じますよね。

伝導熱 10%

熱い鉄を触った時に熱く感じるのが伝導熱です。フライパンの取手には樹脂がついているのは伝導熱を伝えにくくして素手でもフライパンを持てるようにする為です。

これら3つの熱の伝わり方で「輻射熱」が75%と一番多く熱を伝えています。「対流熱」は15%で「伝導熱」は10%といわれています。
住宅は熱を伝えにくくする為に「断熱材」が入っていますが、断熱材は熱を伝えにくくしているだけで反射しているわけではありません。真夏の断熱材はモコモコのダウンジャケットを着ているのと同じです。断熱材は熱を吸収して蓄えてしまいます。その熱は涼しくなった夜に放熱する為、夜になっても家の中が暑いのはそのせいです。
耐熱つまり、輻射熱を反射するアルミシートを屋根と壁に設置すれば、熱の伝わりを75%遮断する事ができるのです。でも、断熱材も必ず必要です。「対流熱」と「伝導熱」の25%の熱はアルミシートでは防げません。断熱材は冬の寒さを防ぐ為には絶対に必要です。

 

すきまなく「断熱材」が入っていること

断熱材は沢山の種類があり、施工方法も様々です。グラスウール、セルロース、ウレタン・・・など建築会社によって使っている断熱材が異なります。
では、どの断熱材が1番良いのでしょうか?これの正解はなく人によって考え方が変わります。でも、断熱材の目的は「熱を伝えにくくすること」でどの断熱材も熱を伝えにくくしてくれるので、どれが1番良いというのはないと思っています。断熱材で重要なのは種類ではなく「隙間なく正しい方法で施工する」ことです。

人に例えると、あなたは冬外に出るために高価なダウンジャケットを着ています。しかし、手袋やマフラーはありません。高価なダウンジャケットも手や首を防寒していないと寒く感じるはずです。たとえ安価なダウンジャケットでも、手袋やマフラー、さらにニット帽子やマスクをしたりして、外気に直接触れる部分を少なくすれば暖かさが違いますよね?住宅も同じです。すきまなく断熱材を施工するほうが暖かい住まいになります。

保温グラスウールといわれる綿のような断熱材は、木工事を担当する大工さんが施工する事がほとんどで、正しい施工方法を知らない大工さんが施工してしまうこともあります。せっかくの断熱材も効果が発揮できず、壁の中に入ってしまう為、後で確認することも出来ません。
断熱材は断熱専門業者に施工してもらうことが必要です。断熱施工方法について詳しいので安心して施工を任せる事ができます。

家中のすきまを少なくして「気密」を高めること

家のすきまは目に見えるものではありませんが、必ずあります。窓などの動く部分などにすきまがあります。ちゃんとすきまが少なくなるように、家づくりをすればエアコンなどの空調設備は少ない電量で長い時間、快適な温度調節をしてくれます。
強風家のすきまがどう影響するのか?それは、例えば水の入ったバケツを想像してください。大きな穴が開いたバケツと小さな穴の開いたバケツ。この、バケツの水が家の電気だったとすると、大きな穴の開いたバケツはどんどん電気を外に捨てていることになります。すきまが多い家は快適な温度の空気を逃がしているだけではありません。光熱費というお金も外に捨てていることになります。

それでは、どのくらいすきまを小さくしなければならないのか?専用機械で家のすきまを測る事ができます。すきまの大きさを専門用語で「C値」といいます。C値は数字が小さいほど気密が良いとされますが、目安としてはC値1.0~2.0くらいの気密を目指しましょう。1.0以下ならさらにすきまは少なくなりますが、遠州地区でそこまでの気密は必要ありません。なぜなら、温暖な遠州地区はエアコンを使わない時期が多く、窓を開けて空気を入れ替えるからです。
でも、あなたの生活スタイルが1年中窓を開けないで生活したいという場合は、C値0.5以下の気密が理想といえます。

熱が伝わりにくい「窓サッシ」を選ぶこと

アルミ日本の「窓」はアルミサッシが当たり前でした。昭和40年頃から住宅用アルミサッシが普及し、ほぼ100%アルミサッシが使われるようになりました。木製の建具より気密性があり耐久性が高い為、一気に普及しました。しかし、アルミは熱を伝えてしまいます。とくに冬はアルミの部分が結露しませんか?それは、温度差によって結露しカビの原因になります。家の中で、熱の出入りが多い場所は「窓サッシ」です。

アルミサッシの場合、冬は熱が52%逃げていき、夏の暑さは74%アルミサッシから入ってきます。
熱を伝わりやすさを数字にすると、アルミは「200w/mk」樹脂は「0.17w/mk」木材は「0.12w/mk」となり、樹脂や木材はアルミと比較すると1/1000しか熱を伝えません。フライパンの持ち手のところが樹脂か木材で覆われているのは、素手で持てるようにするためです。
つまり、窓の性能をあげる事が省エネにつながり、快適な温度を保つ事が可能になります。窓は「アルミサッシ」ではなく「樹脂サッシ」を選びましょう。近年は樹脂サッシを選ぶ会社が増えていますが、平成29年度3月発表の「住宅用建材使用状況調査」によると、樹脂サッシは16.9%とまだまだ少ないのが現状です。木製サッシも素晴らしいですが、定期的なメンテナンスが必要になります。コストとメンテナンスを考えると樹脂がお勧めです。

構造計算をして「耐震等級3」を目指すこと

耐震静岡県に住むなら地震対策に興味がない人はいないでしょう。地震に強い家をつくる方法や工法は沢山あります。どれを選べばいいのか悩むところですが、最終的に間取りを決める前に「耐震等級3」が可能か調べる必要があります。震度7の強い揺れが2回も発生した熊本地震で倒壊しなかったのは「耐震等級3」の家です。
地盤や揺れ方によって被害が違うと予想されますが、家族を守るために基準として「耐震等級2」はクリアしてもらいたいです。
さらに、耐震等級3と同じくらい重要なことがあります。それは「直下率」です。2階建てをつくる場合は1階と2階の柱や壁をなるべく同じ位置に配置することが必要です。「直下率」は50%以下になると倒壊する危険が増えます。直下率は60%以上を目指しましょう。
予算に余裕がある方は、制震装置など増やしていけばさらに地震が起きても家の損傷は少なくなるでしょう。
地震対策地震対策は家の構造だけでは十分ではありません。寝室に防災セットを置いておくことも必要です。家具の固定は自分でもできる地震対策です。必ず固定しましょう。
避難場所を家族で確認し、子供たちに大地震が起こった時にどう行動するのかを、年に数回話をすることのほうが重要かもしれません。家にいない時に、親がそばにいない時に地震がおきる可能性を忘れてはいけません。

家を建てる前に「2種類の地盤調査」をすること

家を建てる前に必ず「地盤調査」をしますが、詳しい調査方法やそのほかの調査方法があることを住宅会社はあまり伝えません。それは、内容が専門的でわかりにくいのと、調査にそこまで費用をかけるのはもったいないと考えるが普通だからです。しかし、一般的に行われる「SS調査」では硬い異物や大きな石が埋まっていると正しい調査結果がわかりません。そこでオススメなのが「表面波探査法」という調査方法です。この方法は起振装置を使って表面波で深さ約10メートルまでの硬さを調べる事ができます。メリットは大きな石などの異物があっても正しく測定が出来ます。デメリットは土質が解りにくいです。その、デメリットを解消する為に「SS調査」もします。しかも、違う調査会社で違う人間が調査をして地盤に問題がなければ、かなり安心できます。家を建てた後に調査をしたり、地盤改良をしたりすることは出来ません。建てる前にしっかり納得するまで調べるほうが安心です。
調査費が増えても約5万円です。家が傾いてしまったら住めなくなってしまいます。いくら地盤保証がついていても、建替えることになったら大変です。

ジメジメの湿気を吸ってくれる「自然素材」を使うこと

施工が簡単で安価に仕上ることのできる壁紙の「ビニールクロス」は種類も豊富で職人さんも仕事がしやすいので天井と壁を「ビニールクロス」で仕上る住宅会社が多いです。決して悪い材料ではないのですが、湿度が高くなる脱衣室には向いていません。湿気でクロスが剥がれてきたという経験がある方もいるのではないかと思います。昔の日本の家は「土壁」で作られていました。断熱効果があり湿度調整をしてくれる役割がありました。しかし、いま土壁でつくる家はかなり少なく見かけなくなりました。土壁は施工にかなりの時間がかかり、下地の竹を組む職人さんがほとんどいないなどの理由で作られなくなってしまいました。
だけど日本の気候には湿度を調整してくれるような仕上げ材が必要なのです。それはビニールクロスでは出来ません。漆喰や珪藻土などの塗壁が適しています。しかし、ビニールクロスと比べると高価なため塗るのを諦める方もいます。クロスの中には自然素材を使ったクロスもあるので、少しでも調湿効果があるクロスを選ぶことをオススメします。
適度な温度だけでなく適切な湿度を守る事が健康には必要です。人間の適切な湿度は45%~65%です。
窓を開けるのが好きな方も、梅雨の時期は雨が降ったら窓を閉めましょう。小雨で家の中に雨が入らなくても湿気は凄くたくさん入ってしまいます。壁や天井を調湿効果のある素材にしても限界があるからです。注意しましょう。

さいごに

家づくり住宅会社によって考え方や作り方が違います。「いい家を作りたい」と真剣になっている会社は沢山あります。住宅に対する熱い想いをじっくり聞いてみると、その住宅会社の家づくりが見えてくるでしょう。
私が考える「いい家」の判断基準は「自分が住んでみたい」と感じるかです。
私は無垢材をふんだんに使った「木の家」に住んでいます。無垢材は傷がつきやすく、汚れも拭き取りにくい素材ですが、そんな所も愛しく思えます。
自然素材に触れながら生活できる「木の家」が私は大好きです。

 

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